『畳の必要性』
畳のメリットとデメリット
畳におけるメリットとデメリットをイ草王国の熊本の畳職人が考えます。近年、新築における畳の部屋は減少傾向にあります。畳が無くても困らないという方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、日本人として「畳」という稀有なプロダクトの性質を一度知ってからでも遅くはないのかもしれません。畳は日本にしかないモノだと御存じですか?畳って案外良いものですよ、それを今から御説明します。
リラックス効果 ー 案外知られていない畳の本来のチカラとは ー
イ草には自律神経を落ち着かせる香り(フィトンチッド系)が発せられことで得られるリラックス効果、お様の就学環境においても集中力向上に繋がるとも言われています。反対にアンモニア臭などの生活臭を吸着する消臭効果があり、微量な有害物質を吸着するなどの空気清浄の効果もあります。
皆さまは畳の上で自然と「ゴロン」となられた経験はないでしょうか。フローリングの上ではあまりしませんが、自然と畳の上では手足を広げ、大の字になりリラックスしようとするのは、私たちが日本人で畳の気持ち良さを何となく知っているからではないでしょうか。
メンテナンス ー 畳に少し気を配れば気持ち良い生活が手に入る ー
湿度を吸い、有害物質を吸着するということで、定期的な掃除は必要になります。イ草の目に沿って掃除機をかけ、出来れば箒での掃除もされると良いと思います。イ草はカビ菌が付くと、温度と湿度次第ではカビ菌が増える傾向にあります。ただ、2日に一度掃除をしていただき、エアコンの弱とファンなどの空調をしていただくとカビが生えることはありません。
カビが生えることと定期的な掃除はデメリットと思う人もいるでしょう。その場合は、化学畳表を使用されることをお勧めします。
多目的 ー 畳は使い方次第でいろんな空間を活用するモジュールとなる ー
皆さまの中には、畳文化が古臭いと思われる方もいらっしゃるでしょう。現代の住宅は昔に比べリビングが広く、南側に採光を取り、キッチンも自由に設置できることから和室のスペースを取れない方も多いのが実情です。しかし、和室の概念にとらわれず、広いリビングの1スペースをフラットな畳スペースにしたり、3畳の小上がりスペースを作り側面を収納スペースにしたり、イ草ではない素材で鮮やかなアクセントに畳スペースを使う方も多いです。
私のオススメは小上がりの畳スペースです。子どもが小さい時はお昼寝スペースや遊び場に、お客さんが来られたら茶室・冬はコタツスペースに、急な来客時には寝室にもなるでしょう。
畳は決して安価ではないですが、建築家・設計士さんの提案次第では斬新な空間になることもあります。安藤忠雄さんがコンクリートの部屋の一部を縁無し畳で敷かれましたが、それだけで日本的な引き締まった空間に見えるのは、畳の存在感の大きさではないでしょうか。
今回は、一般的な畳の実状をお伝えしました。
畳の部屋を作ってみたいと思われた方がいらっしゃれば幸いです。
次回は夢のある畳のお話が出来ればと思います。